碁盤を囲んで

詩の碁の言いつつ、笑いを求め、碁友と遊ぶ日々。

時間旅行~棋士編~

歌丸「はい、楽さんが早い」

楽太郎「時間旅行へ行って、秀策先生と打ってきました」

歌丸「で、どうなりました?」

楽太郎「本因坊家の門人から、コレラをうつされやしないかと心配で、

お祈りばかりしていました・・・くわばらくわばら」

歌丸「最初にしてはうまいよ、一枚やろう」

木久蔵「ハイ!」

歌丸「・・・今週は大丈夫?」

木久蔵「大丈夫」

歌丸「じゃあ木久ちゃん」

木久蔵「タイムマシンで江戸時代に行って、幻庵先生と打ってきました」

歌丸「まさか一手打つたびに、『運運唸った』とか言うんじゃないだろうねえ?」

木久蔵「・・・。運、そのとおり」(といって陽気に振る舞ってから、うなだれる)

-楽太郎が歩み寄り木久蔵をからかう。好楽もつつきながら手を挙げる-

歌丸「・・・。次いきましょう、好楽さん」

好楽「タイムマシンで11年前に行って、入段したての女流棋士と打ってきました」

歌丸「で、どうなりました?」

好楽「初々しい青葉のかおりで胸がいっぱいに、うふふっ、

これ以上は申せません、ふふっ・・・」

歌丸「それ以上は聞きたくもありません」

楽太郎「お主も悪よのう・・・。」

歌丸「・・・。山田くん、楽太郎と好楽の一枚ずつ持ってって」

木久蔵がバンザイをし、小遊三はニヤリと笑いながら手を挙げる-

歌丸「はい、小遊三さん」

小遊三「時間旅行で江戸時代に行って、

銀杏(イチョウ)の碁盤を使って、いちょう松和先生と打ってきました」

歌丸「苦しくな~い?・・・で、どうなりました?」

小遊三「いやあ、苦しい碁だったんですがねえ、

終盤に、『銀杏(ぎんなん)』みてえにキラッと光る一手で勝ちを『拾った』とさ」

歌丸「・・・好きだねえ。はい、楽さん」

楽太郎「時間旅行へ行って、進藤『ヒカル』と打ってきました」

歌丸「・・・。」

楽太郎「・・・。訊いて下さいよ」

歌丸「・・・で、どうなりました?」

楽太郎「絵に描いたような手筋で、種石を仕留めました

・・・『ツル』の巣ごもり」

-楽太郎、チョイ悪風の笑みを浮かべる-

歌丸「・・・何も言いません。 えー、お次は昇太さん」

昇太「時間旅行で江戸時代に行って、色男の太田先生と打ってきました」

歌丸「で、どうなりました?」

昇太「女性を口説く極意がわかりました

・・・よーし、思い切ってストレートに雄蔵!」

歌丸「・・・。それが出来れば、一人もんじゃないんですがねえ・・・」

-昇太の顔へズームイン、眼がテンになっている-

歌丸「はい、たい平くん」

たい平「タイムマシンで明治時代に行って、秀甫先生と打ってきました」

歌丸「で、どうなりました?」

たい平「まるで蒸気機関車のような力強いリズムで圧倒されました

・・・♪ぼくらを乗せて~ 秀甫っ、秀甫っ、シューポッポー!」

歌丸、二度程うなずく-

山田「ハイ!」

歌丸「あれ、山田くん? じゃあ今週も聞いてみましょう、どうぞ」

山田「時間旅行へ行って、絶頂期の石田名人本因坊と打ってきました」

歌丸「どうなりました?」

山田「『小太刀の冴え』と言われた『石田のキカシ』とかけて、

『座布団』と解きます」

歌丸「おや、謎かけできましたか・・・で、その心は?」

山田「積み重ねが大事です」

歌丸「やるねえ、座布団一枚はご自分でどうぞ。

それでは『笑点』、また来週お目にかかりましょう、

ありがとうございました」

♪パッパラパラパッパ ♪パッパラパラパッパ 

♪パッパ~~ パラパッ ぱふ♪

碁言絶句

こちらの碁言絶句とは、囲碁を楽しむ人びとの、胸の内に去来する、悲喜こもごもを書き綴る、言葉あそびと音あそび。俳句短歌と川柳に、枕詞と掛詞、比喩押韻を学びつつ、字句数律から浮遊する。季語にならって棋語を据え、響きと意味を重ねたら、この世に伝わることわざや、慣用句やら四字熟語、古今の名文名言を、暗黙知として忍ばせて、だれかさんの講釈や、アハ体験を待ち望む。バカバカしさをともにして、ひとりになれば絶句しみじみ。

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めくるめく 劫にトラウマ 碁にドラマ

初級者にとって、劫は煩わしいもの。よい思い出は少ないかもしれない。惜しむらくは、劫を怖がるあまり、フリカワリという碁ならではの面白さを遠ざけてしまうこと。将棋では、金銀交換はあっても飛王交換はありえないところだが、囲碁なら、劫を解消したところと、劫変わりのところ、それぞれの周囲への影響や手番など、付随する要素が多様だから、フリカワリの自由度は高い。囲碁の華、「劫」の枕詞として浮かぶものから、五字に絞ると「めくるめく」が残った。名人同士の劫は、仕掛ける前からその後の展開にいたるまで、観るものをめくるめく世界へいざなう。  

 

めくるめく 劫にトラウマ 碁にドラマ

<怖さを乗りこえて、醍醐味にふれたくなるコピー>

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